耳鼻咽喉科/自分の声が耳に響く

自分の声が耳に響く

 みなさん、録音した自分の声を聴かれた事があるでしょうか。実は、録音した自分の声を聴くと、誰でも他人の声のように感じます。これは、自分が喋った声は空気を伝わって聴こえてくるだけでなく、頭の骨を伝わって聴こえるからです。つまり、録音した時は頭の骨を伝わってくる声が聴こえないので、違った声に感じるのです。この現象は、耳の病気でも起こります。
 耳の聴こえが悪くなると様々な症状が出ます。一般的には、聴こえにくかったり、耳鳴りがしたり、耳がふさがったりすることが多いわけですが、時に、自分の声が耳に響くことがあります。さらには、自分の声が頭に響いたり、割れたように聴こえたりもします。これは、耳の病気によって空気を伝わってくる自分の声が聴こえず、頭の骨を伝わってくる自分の声だけが強く聴こえるために起こります。このように自分の声が耳に響く場合には、耳垢が詰まっていたり、中耳炎を起こしていたり、鼓膜が破れていたりすることもありますから、ご注意ください。
 この他に、耳と鼻を繋いでいる耳管という管の調子が悪くなっていることもあります。この耳管という管は普段は閉じていて、唾を飲み込んだ時だけ開いて空気が行き来し、耳の中の気圧を調整しています。ところが、急激に痩せた時には、この耳管が常に開いた状態になってしまい、耳管を通って自分の声が直接耳に響いてしまいます。自分の声が耳に響く時には、早めに耳鼻科の医師にご相談ください。

(2011年放送)