婦人科/生理痛の治療(月経困難症)

生理痛の治療(月経困難症)

 最初に、「生理痛は我慢するもの」という偏見をなくしてください。放っておくと原因となっている病気が進行し、日常生活に支障が出るばかりか不妊症の原因にもなります。
 次に生理痛の治療についてお話します。これには「薬による治療」「手術による治療」があります。年齢や症状の程度、原因となっている病気の種類、ライフスタイルなどを考えて選択します。薬による治療には「痛み止め」、「漢方薬」、「ホルモン剤」があります。「痛み止め」は「ちょっと痛くなってきたかな…」くらいの時に早めに飲むことが重要です。ぎりぎりまで我慢して飲んでも痛みの伝達物質がたくさん出てしまった後なので、あまり効果がありません。体質的に冷え性や血の巡りが悪い方は「漢方薬」で楽になることもあります。「ホルモン剤」は女性ホルモンの分泌を抑える薬を使います。生理の元になる子宮内膜の増殖を抑制するので出血量が少なくなり、痛みも和らぎます。「低容量ピル」が代表的な薬です。子宮内膜症や子宮筋腫の進行を抑える作用もあるので、とても有効な治療法です。
 「薬による治療」だけでは痛みが取れず、症状が悪化してくると「手術による治療」が必要となってきます。腹腔鏡手術と開腹手術があります。
 生理痛が気になる方は早めに産婦人科医の診察を受けましょう。原因となっている病気を早く見つけ、痛みから解放され豊かな日常生活を送りましょう。

(2011年放送)