外陰部のかゆみ
外陰部にかゆみがある場合、その原因としては、トリコモナスや細菌などによる感染症、下着やナプキンなどによるかぶれ、更年期など女性ホルモンの変化による膣炎など、いろいろありますが、カンジダの感染によるものが一番多いようです。
カンジダは真菌というカビの一種で、健康な人の膣内にも普通にいる菌ですが、病気や過労などで体力が落ちたり、妊娠や糖尿病などで菌が繁殖しやすい状況になった時に増殖し炎症をおこします。典型的な症状としては、外陰部のかゆみと、豆腐カスのような固まりが混じったおりものが増えます。
膣カンジダ症は、ひどくなってもそれほど怖い病気ではありませんが、治療しようとするとかなり頑固な病気です。治療は膣の洗浄と薬の挿入が主流ですが、他に軟膏や飲み薬も使われます。かゆいのは外陰部だけですが、カンジダは膣の中の病気です、外陰部に軟膏を塗るだけでは治りません。挿入薬が必要です。また、かゆみ止めとして副腎皮質ホルモンの入った軟膏を使うと、一時的にはかゆみが取れますが、カンジダはかえって増加し膣炎は悪くなります。
最近はカンジダ用の膣座薬も市販されており、自分で治療することも可能ではありますが、かゆみの原因としては、他の病気の可能性もありますので、まずは産婦人科を受診して、適切な診断・治療を受けられることをお薦めします。
(2011年放送)