腰痛の運動療法
腰痛をおこす原因は色々あり、その全てに有効な運動療法があるとは考えられません。ここでは腫瘍や骨折でない原因による腰痛、すなわち椎間板障害や脊柱管狭窄症に対する運動療法についてお話します。
急性期すなわち痛みの強いときは運動はあまり勧められません。痛みが楽になる姿勢で嵐が通り過ぎるのを待ったほうが良いでしょう。痛みがある程度収まったら少しずつ体を動かします。
運動療法を全身と腰の部分に分けて考えます。全身運動としては歩くことや走ることが良いでしょう。これにより全身の新陳代謝が活発になり、当然腰でも活発になるので、障害を受けたところの修復により症状の改善が期待できます。
腰の部分の運動としては腰周りのストレッチと腹筋や背筋を強くする訓練があります。運動の仕方を間違わないように、一度整形外科の医師にご相談ください。いずれの運動療法も2、3回やっただけでは意味はなく、持続させてはじめて効果が期待できます。また、腰にいいからと腰の運動や水泳を張り切りすぎて、かえって腰痛が悪化する可能性があります。従ってまず勧められるのは歩きなどの全身運動です。足や膝の悪い人は水中での運動をお勧めします。
運動療法は手術や薬物療法と併せて行う治療としても大切ですし、また、腰痛以外の健康増進にも役立ちます。是非歩きやジョギングから始めましょう。きっと何かいいことがありますよ。
(2011年放送)