精神科/認知症の新しい診断と治療

認知症の新しい診断と治療

 認知症とは、正常に発達した脳の知的な働きが低下した状態をいいます。認知症には色々ありますが、本日はもっとも多いアルツハイマー型認知症についてお話をします。
 中心となる症状として、人の名前を思い出せない、物を置いた場所を忘れるということを、自分で自覚することは多いですが、直前のことを忘れて、同じことを繰り返して聞いたり、言ったりすることは、意外と自分では感じてなくて周囲の人が気づくことが多いようです。今日が何日か、何曜日か分からないことはしばしばみられます。このような中心となる症状に対して、必ずしもみられるわけではありませんが、「周辺症状」と呼ばれるその他の症状として、怒りっぽくなったり、意欲がなくなったり、異常な行動がみられることがあります。ただし、今述べた症状があれば認知症であると言うことにはなりません。アルツハイマー型認知症の診断は、他の認知症との区別も含めて検査が必要です。通常は、MRIと脳スペクト検査です。
 さて、どの病気も同じですが、早期診断、早期治療が重要です。アルツハイマー型認知症の治療薬として、間もなく数種類の新薬が登場しますが、いずれも病気そのものを治療できる薬ではありません。少しでも認知症の進行を遅らせるためには、退職後ボーッとした日々の生活を改善し、脳の働きを高める学習療法などが必要です。正常圧水頭症のような治療可能な認知症の診断のために、早い時期の受診をお勧めします。

(2011年放送)