小児科/子どもの救急シリーズ②腹痛

子どもの救急シリーズ②腹痛

 腹痛は子どもが救急医療機関を受診する訴えの中で発熱の次に多く、特に治療を必要としないものから迅速に治療しないと生命に危険が及ぶものまでいろいろあります。
 子どもの腹痛の原因で最も多いのが便秘と胃腸炎です。便秘による腹痛は浣腸によって便やガスが出てしまうと良くなり、胃腸炎による腹痛は嘔吐や下痢などの症状を伴うことが多く、はき終わってしまうと楽になります。
 緊急の手術や処置を必要とする腹痛は、生後6カ月~2歳位の乳幼児では腸重積症、学童以上の年長児では急性虫垂炎が一般的です。
 腸重積症は小腸の終わりの部分が大腸にめり込むために起こり、元気な赤ちゃんが急に機嫌や顔色が悪くなり、嘔吐や血液の混じった便が認められるようになります。この場合は、めり込んだ腸をもとに押し戻す緊急処置が必要で、どうしても戻らない場合には手術が必要となります。
 急性虫垂炎は一般に盲腸と呼ばれ、小中学生に多い病気で、右の下腹が持続的に強く痛みます。虫垂とは盲腸から出ている細長い器官で、その中がつまって細菌による炎症が生じたのが虫垂炎で、原則的には手術が必要となります。子どもの虫垂炎は大人と比べて初期の診断が難しく進行が速いために虫垂が破れて腹膜炎をおこしやすい特徴があり要注意です。
 腹痛あるいは機嫌がひどく悪い状態が2~3時間以上続き良くならない、嘔吐が続く、便に血液が混じるなどの症状があるときにはすぐに診察が必要ですので夜間や休日の診療時間外でも医療機関を受診してください。

(2011年放送)