夏の子どもの事故
子どもの夏の事故で増加するのは、水に溺れる事故と高温多湿による熱中症でしょう。この2つについて述べます。
夏になると「溺れ」は水泳中の事故としては増えてきますが、実は最も多いのは季節とは無関係の風呂場での「溺れ」です。いずれも大人の十分な監視による事故防止が大切です。もし溺れて呼吸が停止していたら直ちに人工呼吸を始めます、さらに心臓も停止していたら心マッサージも必要です。状態は分単位で急速に悪くなりますので、病院に着く前から早急に開始することが極めて大切です。その為には一般の人も心肺蘇生の方法を知っておくことが必要です。
次に熱中症です。高温多湿の環境の中で運動をしている時などに起こしやすく、大量に汗をかいて水分や塩分を失い、脱水症状を起こします。この時は早く涼しい場所で体を冷やし、スポーツ飲料などの塩分を含んだものを補給します。症状がさらに進み、高熱による脳の組織障害を起こすと命も危ない状態に陥ります。ぐったりして呼びかけても反応しない意識障害の症状が少しでも出たら、すぐ病院への受診が必要です。
熱中症は高温多湿でなくても発症するので注意が必要です。よく高温でもない室内で発症したとか、多湿でもない車の中で発病し死亡したなどのニュースを耳にします。
予防は高温多湿の環境から早く逃れることが第一です。次にスポーツ飲料等の水分補給です。運動中はのどが渇く前に定期的に補給するなど、早めの対策が大事です。また体調が悪い時に無理に運動をしない事です。
(2011年放送)