足の浮腫
浮腫は、「むくみ」とも言われ、多くの場合、押すと凹(へこ)みが生じ、靴下の跡がつきやすくなります。
両足の浮腫は、全身の病気として起こることがあります。主に、心臓、肝臓、腎臓の病気で起こります。高血圧、心筋梗塞、弁膜症などによる心不全、肝炎が進行した場合、腎炎による腎不全や、大量のタンパク尿がでる場合などです。また、甲状腺機能異常でも見られるときがあります。ですから両足の浮腫の場合、全身的な検査が必要です。
一方、片足だけの浮腫は、血液やリンパの流れが悪くなって起こります。足先の血液は、ふくらはぎなどの筋肉が収縮し、ポンプの役目をすることにより、重力に逆らって、心臓に戻ります。この仕組みがうまく働かないと、浮腫となります。長時間の立ち仕事、座りっぱなしの時、足を強く締め付ける靴をはいたときにも起こります。これは、静脈瘤やリンパ浮腫が主な原因となります。静脈瘤は、ふくらはぎに、こぶのように腫れ上がった静脈が見られます。足の疲れ、痛みを感じ、皮膚が黒ずんだり、潰瘍ができることもあります。
治療は、手術以外のものとして、弾力性ストッキングがあります。これは、足を適度に圧迫して余分な血液が静脈瘤に貯まることを予防するものです。手術では、静脈瘤に硬化剤という薬を入れて固めてしまう方法や腫れている静脈を抜き取るストリッピング手術と言われるものなどがあります。
足の浮腫では、様々な病気が関係していることがありますので、まずは主治医によくご相談ください。
(2011年放送)