内科/あなどれない脂肪肝―非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)―

あなどれない脂肪肝―非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)―

 最近、メタボリック症候群という言葉をよく耳にします。内臓脂肪が増えて腹囲が増加します。腹囲と高血圧、高血糖、中性脂肪の高い値でメタボと判定します。将来、動脈硬化が進行する状態です。実は、このメタボは肝臓にも表れるのです。それが脂肪肝です。
 そしてその脂肪肝は大きく2つに分けることができます。単純性脂肪肝と脂肪性肝炎です。単純性脂肪肝は肝臓の病気というよりメタボの証拠に過ぎず、肝臓は悪くなりません。しかし、脂肪性肝炎は肝硬変、肝不全、肝がんに進行します。
 最近、お酒を全く飲まない方にみられる、非アルコール性脂肪性肝炎、英語をもじってNASH(ナッシュ)という病気が注目されています。ナッシュは60歳以上、女性、2型糖尿病、高血圧の方に多くみられます。ナッシュは肝硬変、肝不全、肝がんになることがあるので定期的な通院が必要です。
 最も確実なナッシュの治療は体重を減らすことです。体重が減少して、肝機能の検査の値が正常化することを治療の目的にします。そして年2回程度の肝臓の超音波検査を受けることが重要です。最近の肝がんはC型肝炎関連のものが減ってきて、肝炎ウイルスとは関連のないものが増え3割に達しています。この3割の中に脂肪肝が原因の肝がんが含まれています。脂肪肝と言われたら、体重減少につとめ、定期的な超音波の検査を受けるようにしましょう。ナッシュは生活習慣の改善でよくなる病気なのです。

(2011年放送)