内科/血圧が下がりにくい-高血圧の治療-

血圧が下がりにくい-高血圧の治療-

 高血圧者の総数は約4,000万人との報告もあり、今後急速な高齢化に伴い、増加することが懸念されます。高血圧は治療せず放置していると、ある日突然、脳卒中、心不全、腎不全などの合併症を引き起こすこわい病気でもあります。
 高血圧者の増加とともに、血圧の薬の種類も増えていき、日常生活の中でも積極的な血圧の管理が行われるようになってきました。その中で、血圧を下げる治療を行っているにもかかわらず、なかなか血圧が下がらない高血圧の方がいらっしゃいます。
 通常、利尿剤を含む3種類以上の血圧の薬を継続して服用しているにもかかわらず、血圧が目標値まで下がらない場合は、まず定期的な服薬ができているか確認してください。また深夜・早朝高血圧に対しては、1日朝1回の血圧の薬を1日2回、朝と夕に分けて内服することによって、深夜・早朝の血圧上昇が改善することがあります。その他にも、下がりにくい高血圧の原因には、睡眠時無呼吸症候群、腎臓の病気、腎動脈狭窄症、内分泌の病気の原発性アルドステロン症などがあります。
 ひどいいびきや、無呼吸を特徴とする睡眠時無呼吸症候群の患者さんにCPAP(シーパップ)療法を開始後、血圧が改善されることがよく知られています。また、下がりにくい高血圧の約20%に認められる原発性アルドステロン症の患者さんに抗アルドステロン拮抗薬の投与が有効であり、今までなかなか安定しなかった血圧が、驚くほど安定することもあります。

(2011年放送)