眼科/眼のヘルペス疾患

眼のヘルペス疾患

 ヘルペスとは、ヘルペスウイルスが原因で起こる感染症です。ギリシャ語で「這う」という意味があり、感染した時に神経の走行に沿って這うように病変が起こることからこの名前が付けられました。
ヘルペスによる目の病気は、上下の瞼の裏側と白目と呼ばれている強膜の表面を覆っている半透明の膜である結膜に起こる結膜炎と、透明な組織で黒目と呼ばれている角膜におこる角膜炎があります。
結膜炎は、充血、目やに、涙が出る、異物感などの症状が出てきます。お子さんが初めてヘルペスウイルスに感染したときにみられることが多い病気です。他の感染性結膜炎との鑑別が困難です。治療としては今のところ特効薬はなく、通常は炎症を抑え、細菌による2次感染を防止するための目薬を使用します。両目が侵されることは少なく、徐々に改善してきます。時に目の周りの皮膚に小さな水疱がみられることもあり、この場合は軟膏薬によって治療する必要があります。
角膜炎は、結膜炎と同じ様な症状に加え、眼の痛み、黒目の周りの強い充血、視力低下などの症状が出てきます。治療は、眼の軟膏などを使用し重症例には内服や点滴を行うこともあります。また、いったん良くなっても体調が不良になったときなどに再発することがあり、再発を繰り返すと、角膜に濁りを生じて視力が低下したり、角膜が薄くなって穴があくこともあります。
もしこのような症状が出現した場合には早目に眼科を受診することをお勧めします。
(2010年放送)