眼科/角膜潰瘍

角膜潰瘍

 角膜とは、いわゆる黒目の表面部分のことで、厚さ約0.5mmの透明な膜です。上皮、実質、内皮の3つの層からなっています。角膜潰瘍とは、角膜の障害が実質まで深まり、角膜がえぐれてしまった状態のことです。近年、角膜潰瘍の原因として注目されているのは、ソフトコンタクトレンズによる角膜潰瘍です。
もともと角膜は敏感で、少しの傷でも異物感や痛みを感じます。しかし、ソフトコンタクトレンズにより角膜の表面が覆われると、角膜に傷がついても、痛みを感じにくくなります。そのため、角膜に傷が付いていても気づかずにコンタクトレンズを使い続けてしまい、重症化してから眼科を受診する傾向があります。角膜潰瘍は治っても角膜に濁りが残り、視力が低下します。最悪の場合、角膜に穴が空いて失明することもあります。
コンタクトレンズによる角膜潰瘍を予防するためには、まず適切なコンタクトレンズの使用方法をよく理解し、ルールを守ってつけることです。特に注意を必要とするのは、毎日洗浄し、2週間たったら捨てるタイプのコンタクトレンズです。このタイプのレンズは多量の洗浄液でしっかり洗浄し、ケースも清潔に保つなど、使用方法に気を使う必要があります。
もし何か異常を感じたら、すぐにコンタクトレンズを外し、早めに眼科を受診してください。自覚症状を伴わない異常もあるので、定期的な眼科受診も欠かさないようにしましょう。
(2010年放送)