子宮脱
子宮を支えている組織が緩んで、子宮が下へ下がり、膣の入口より外に脱出したものを子宮脱といいます。子宮周囲にある膀胱や直腸が一緒に下がることが多く、それぞれ膀胱脱および直腸脱といいます。自覚症状は様々ですが、立った姿勢で、膣の中に何か下がったものを感じます。しかし横になるとこの感覚が軽くなります。下がった子宮が下着とこすれて、出血したりもします。腰や下腹部の痛みも感じるようになり、下がりの程度が強くなると、子宮が膣からとび出して、歩くことも困難になってきます。また膀胱脱により、尿がうまく出せなくなり、残尿感のためトイレにいく回数も増えて、尿をもらすようにもなります。直腸脱のためいつも便が出そうな感じもしてきます。普段の生活の中で重いものを持ったり、力んだりすることも原因になりますが、老化でもおこり、平均寿命が長くなることにより、今後ますます多くみられるようになると考えられます。
治療はペッサリーというリング状の器具を膣の中に装着する方法があります。これは外来で簡単にできますが、膣の粘膜の炎症や潰瘍を予防するため、定期的に通院して器具を交換することが必要です。この方法で対応できない場合は手術が必要ですが、お腹を切らずに、膣の方から子宮を摘出したり、膣を形成したりします。最近、メッシュテープを骨盤内に通し、下がった臓器を持ち上げる手術が行われるようになり、手術時間、出血量がかなり減って、効果があがっています。
状態に応じた治療を受けて頂ければ、これまでの悩みが解消されます。心当たりのある方はお早めに婦人科を受診してください。
(2010年放送)
治療はペッサリーというリング状の器具を膣の中に装着する方法があります。これは外来で簡単にできますが、膣の粘膜の炎症や潰瘍を予防するため、定期的に通院して器具を交換することが必要です。この方法で対応できない場合は手術が必要ですが、お腹を切らずに、膣の方から子宮を摘出したり、膣を形成したりします。最近、メッシュテープを骨盤内に通し、下がった臓器を持ち上げる手術が行われるようになり、手術時間、出血量がかなり減って、効果があがっています。
状態に応じた治療を受けて頂ければ、これまでの悩みが解消されます。心当たりのある方はお早めに婦人科を受診してください。
(2010年放送)