婦人科/ワクチンによる子宮がん予防

ワクチンによる子宮がん予防

 子宮頸がんはほとんどの患者さんにヒトパピローマウイルスが認められる事からヒトパピローマウイルス感染が発がんの主な原因と考えられています。
ヒトパピローマウイルスは性行為で感染すると考えられていますが、ヒトパピローマウイルスに感染した人の全てが子宮頸がんになるのではなく、ほとんどの人は免疫の働きによってウイルスを排除でき、ごく一部の人が排除できずに子宮頸がんになると考えられています。最近は子宮頸がんがすでに進行した状態で発見される若い女性が増えています。進行がんで発見されると子宮を摘出しなければならず、その後は妊娠、出産も不可能です。
日本では「予防的ワクチン」の接種が2009年の10月に承認されました。日本産科婦人科学会では10歳以上の女性を対象としてヒトパピローマウイルスワクチン接種を勧めています。ヒトパピローマウイルスワクチンは子宮頸がんそのものの予防ではなく、その原因となるヒトパピローマウイルスの感染を予防するワクチンです。
しかしヒトパピローマウイルスに対するワクチンは子宮頸がん検診の代わりにはなりません。これまでにヒトパピローマウイルスワクチンが承認された国々でも、子宮がん検診はこれまで通り継続すべきであると強調されています。子宮がん検診は非常に大切です。1年に1回は必ず子宮がん検診を受けましょう。
(2010年放送)