婦人科/子宮がん検診

子宮がん検診

 女性に特徴的ながんには、乳がん、子宮がん、卵巣がんなどがあります。患者数が最も多いのは乳がんです。ところが、20代から30代の若い女性に多いのは子宮頸がんなのです。
子宮頸がんは、命に関わることは、ほかのがんと同じですが、進行すると子宮を失う、つまり妊娠できなくなることが大きな問題です。女性の一生の中で、子どもを産む、そして育てるということはきわめて大切な出来事です。男性にはできない、女性の偉大な能力です。命を守るという点では、ほかのがん検診も同じですが、この妊娠できるということを守るには、早期発見、早期治療が大切です。そのためには、子宮がん検診が是非必要です。国や自治体が費用を補助する制度が進み、20歳から検診を受けやすくなりました。
まず、子宮に異常があるかないかを篩(ふるい)にかける検査が細胞診です。たいした痛みもありません。怖くもありません。特別な資格を持った細胞診専門医と細胞検査士がペアを組んで、がん細胞の顕微鏡検査を担当します。少しでも異常の可能性があれば精密検診として、婦人科がん専門医が内視鏡で診て、組織検査をします。その結果、がんになる1歩手前やごく初期のがんが見つかれば、子宮の一部をくりぬくだけで子宮を残すことができる円錐切除術で治療できます。ところが進んだがんでは子宮を取ることになり、赤ちゃんが産めなくなります。
このような重大な結果にならないためにも、成人式を済ませた女性には是非、子宮がん検診を受けていただきたいのです。
(2010年放送)