整形外科/肘部管閉塞症-手指のしびれ-

肘部管閉塞症-手指のしびれ-

 手には主要な神経が3本走っています。そのうちの1本が尺骨神経です。この尺骨神経が肘関節部を走行する際に牽引、摩擦、圧迫などの原因によって障害を受け、尺骨神経マヒをおこすのが肘部管症候群です。
症状としては、薬指、小指のしびれ、手の筋萎縮を伴います。また、箸が持てない、上手く字が書けない、握力が低下するなどの運動障害と、肘から手にかけての痛みなどがあります。
原因としては幼少期の肘の骨折に伴う肘の変形、50歳以降に発症する変形性肘関節症、ガングリオン等の軟部腫瘤による圧迫、習慣性尺骨神経脱臼によるもの等があります。
診断のポイントとしては、薬指、小指のしびれや肘の内側の痛み、圧迫するような痛み、放散する痛みがあり、特に肘を曲げているとしびれが強くなることがある場合は肘部管症候群を疑ってみる必要があります。
治療としては手術以外の方法は無効です。診断がつけば、出来るだけ早期に手術を受けることが大切です。ゆっくりではありますが必ず進行して行きます。重症化し、強い筋萎縮を伴って、手指が鳥のワシの手のように変形すると、手術によっても回復しないこともあり、いかに早期に手術をするかが回復を左右することになりますので、上記の症状があれば、かかりつけ医に相談することをお勧めします。
(2010年放送)