精神科/夢遊病

夢遊病

 熟睡していた子どもが突然起き上がり、歩き出すことがあります。ベッドの上に座るだけのこともありますが、部屋を出て行き、放尿したり、食べたり、鍵を開けて外へ出て行くこともあります。たいていはベッドに戻ってまた眠り始めます。この間に呼びかけると、生返事することもありますが、無理に起こすと錯乱や興奮が起こることがあります。数分から、長いものでは約1時間続きます。これが夢遊病にみられる一般的な様子ですが、この間は眠った状態が持続しており、寝ぼけと似た状態ですので、朝になっても覚えていません。夢遊病と言えば、夢と関係して起こる異常行動と考えられがちですが、夢とは関係がなく、深い睡眠から目覚めることの困難さに伴って起こる現象です。深い眠りは1晩の睡眠の前半に現れますので、夢遊病も睡眠の前半に起こるのが普通です。こうした理由から、今では睡眠時遊行症と呼びます。4~8歳頃に起こることが多く、本人以外の家族にもみられることがあります。
夜、突然起きて泣いたり叫んだりすることやおねしょもそうですが、睡眠時遊行症は、眠りから目覚める脳の働きの発達の遅れと関係していることから、ほとんどが思春期までに消えるものです。ですから、特別な場合を除けば薬物治療は行いません。睡眠の後半の明け方や目が覚めているときにも起こるときは、てんかんの疑いがあります。また頻度が多い場合や、成人になって起こった場合は精神科や小児科を受診してください。
(2010年放送)