高齢者のうつ病
40歳くらいの初老期から老年期にかけて、初めてうつ病になる人も少なくありません。その原因ですが、まず、様々な身体の病気にかかりやすく慢性化しやすいということです。このため、身体の病気に合併するうつ病になりやすいのです。
それから、この時期には喪失体験が次々におこってくるということも原因としてあげられます。自分と同じ年代の身近な人が次々と亡くなっていくということや、自分自身も仕事や社会的な地位から退くことになったり、病気で健康を失うという体験から、うつ病にかかりやすくなります。
高齢者のうつ病の特徴としては、ひどい「うつ」の気分やおっくう感はなくても、生きがいや興味の消失、漠然とした不安感を主症状として訴えられる場合が多いことです。さらに、不眠、倦怠感、食欲不振、めまいなどの身体症状ばかりが目立つというのも高齢者のうつ病の特徴です。
高齢者のうつ病で、注意すべきは認知症との区別や認知症とうつ病の合併です。「1日中、ボーッとしている」、「動作や反応が鈍くなった」ということで、家族に認知症を疑われて受診された場合、認知症より、むしろうつ病による症状が主であると考えられる場合があります。
世の中のことに興味を失ったり、不眠のために生活のリズムが狂ってしまったり、あるいは、食欲不振のために栄養状態が悪くなるといったときには、早めに精神科か心療内科の専門医の診察を受けられることをお勧めいたします。
(2010年放送)
それから、この時期には喪失体験が次々におこってくるということも原因としてあげられます。自分と同じ年代の身近な人が次々と亡くなっていくということや、自分自身も仕事や社会的な地位から退くことになったり、病気で健康を失うという体験から、うつ病にかかりやすくなります。
高齢者のうつ病の特徴としては、ひどい「うつ」の気分やおっくう感はなくても、生きがいや興味の消失、漠然とした不安感を主症状として訴えられる場合が多いことです。さらに、不眠、倦怠感、食欲不振、めまいなどの身体症状ばかりが目立つというのも高齢者のうつ病の特徴です。
高齢者のうつ病で、注意すべきは認知症との区別や認知症とうつ病の合併です。「1日中、ボーッとしている」、「動作や反応が鈍くなった」ということで、家族に認知症を疑われて受診された場合、認知症より、むしろうつ病による症状が主であると考えられる場合があります。
世の中のことに興味を失ったり、不眠のために生活のリズムが狂ってしまったり、あるいは、食欲不振のために栄養状態が悪くなるといったときには、早めに精神科か心療内科の専門医の診察を受けられることをお勧めいたします。
(2010年放送)