小児科/冬に多い小児のウイルス感染症

冬に多い小児のウイルス感染症

 寒い季節になると、発熱、咳、鼻水を伴うといったかぜや嘔吐下痢にかかる子どもが増えますが、そのほとんどはウイルスが原因です。他の季節に比べ冬に子どもたちがウイルス性のかぜにかかりやすくなるのにはいくつか理由があります。
1つ目の理由は、乾燥による粘膜の働きの低下です。鼻やのどの粘膜には、吸い込んだウイルスを痰や鼻水と一緒に外に出す働きがあります。しかし、寒くなって空気が乾燥すると粘膜も乾燥してしまうためウイルスをうまく外に出すことができなくなります。
2つ目は体温の低下です。ヒトの体温はウイルスの侵入を防ぐ白血球、リンパ球、抗体といった免疫機能が効率よく働くように調節されています。体の小さな子どもは気温の低い環境にいるとすぐに体温が下がってしまい、免疫がうまく働かなくなってウイルスに感染しやすくなります。
3つ目は換気不足です。咳やくしゃみから出た粒子は乾燥すると軽くなり、ウイルスを着けたまま長時間空気中を漂います。窓を閉め切って換気が不十分な状態では室内を漂うウイルスが増えてしまい、1人の感染者から多数の人にウイルス感染を広げることになります。
こういった理由からウイルスを吸い込だり、飲み込んでしまう機会が多くなり、寒い季節になると子どものかぜが増えてしまいます。室温や湿度を調節する、定期的に換気する、手洗いやうがいをするといった簡単なことがウイルスの侵入を防ぎ、かぜの予防に大きな効果をもちます。
(2010年放送)