小児科/小学校入学を前に

小学校入学を前に

 入学は、成長途上にある子どもにとって大きな節目となる出来事です。子ども自身は、なぜ楽しい幼稚園が終わりになって、学校という所に行かなければならないのか、理解のできない不安を感じているはずです。さらに入学後はクラスの同級生や大人である学校の先生、学校でのいろいろな決まりや規則に出会って、その不安はますます高まるでしょう。しかし、この年齢の子どもにとって「困難さを感じる」ということは、その後の精神発達にとって重要なものになります。
不安を解消するためには言葉によるコミュニケーションが大事ですが、この年齢の子は相手に自分を理解してもらう能力や、自分が相手の立場に立って考える能力がまだ未熟です。そのため、子ども1人の努力では限界があるのです。ところが、母親や父親と子どもの会話では、子どもは十分な理解と満足を得ることができます。これは両親がその子の気持ちを自然にくみ取って話をしているからです。
学校が始まると、毎日毎日が子どもにとって新しいことの連続です。子どもは親に話を聞いてもらいたくてウズウズしているはずです。疑問に感じたこと、困ったこと、悲しく思ったことなどを十分に聞いてあげてください。そしてそれを「こういうことなのね」と大人の言葉で子どもに返してください。自分の小学校時代の思い出と重ね合わせたり、自分の両親の態度など思い出しながら、子どもとの会話を盛り上げてください。この時期の子どもは親の助けを強く求めているのだということを理解していれば、意義のある小学校生活のスタートが切れると思います。
(2010年放送)