小児科/熱性けいれん

熱性けいれん

 熱性けいれんとは38℃以上の発熱によりけいれんをおこす病気で、子どもの7~8%に見られます。しかし、髄膜炎や脳炎によるけいれんは熱性けいれんとは言いません。熱性けいれんは普通、6カ月から6歳の間、特に1~2歳頃に最も多く発病します。
けいれんは体温上昇中に突然全身を硬直させ、眼は上を向いたままになり、意識はないため話しかけても反応はありません。発作の続く時間は5分以内がほとんどです。その後しばらく眠るのも普通です。
けいれんを起こしている時に箸やハンカチなどを口にくわえさせると危険です。
けいれんが初めてだったり、10分以上けいれんが続いたり、けいれんが止まった後でも意識が戻らないようなら急いで診察を受けてください。大半の熱性けいれんは1回で済みますが3割位は2回以上起こします。けいれんを頻繁に起こしたり、持続時間が長かったり、右半身と左半身に差がある人には、けいれんが起きないように予防投薬をします。予防投薬は発熱したらすぐにけいれん止めの座薬を使い、さらに8時間後に2回目を使います。解熱剤の座薬を使う場合は同時に使うと効果が落ちますので必ず30分後に使ってください。しかし解熱剤を飲ませる場合は同時でも構いません。
熱性けいれんは小学校に入る頃には自然と起こさなくなるのが普通です。しかし7歳以上で起こすけいれんやしばしば起こすけいれん、微熱で起こすけいれんなどはてんかんの可能性もありますので脳波検査が必要です。予防接種は普通にできますが、接種する時期はかかりつけ医とよく相談して決めてください。
(2010年放送)