内科/心臓のペースメーカについて

心臓のペースメーカについて

 人の心臓は1分間に約60から80回収縮し、血液を全身に循環させています。この収縮は心臓の電気的な興奮により起こり、心臓の中に電気刺激を行うための繊維が走っています。電気刺激の繊維の機能が低下したり、停止したりすると、脈拍数が少なくなったり、一時的に心臓が停止した状態となります。結果として、息切れやめまい、ひどい場合には意識がなくなることとなります。
ペースメーカはこの様な高度に心拍が低下した状態を改善する目的で植え込まれる機械です。ペースメーカは通常、左胸の上部、鎖骨のした付近の皮膚の下に電池の部分が植え込まれます。さらにそこから胸の部分の静脈を通して心臓内まで、電池と接続して電流を流す線が固定されます。電流を流す線の先端では24時間、365日、毎日心拍の監視を行なっています。脈拍の低下があれば、電池の部分から電気的刺激を出して、心拍の補助を行い、脈拍の低下を防ぎます。逆に自分の脈拍数が多い場合には、ペースメーカが作動することはありません。ペースメーカは、電池で動く機械ですので、電池の寿命が来る前に電池交換を行う必要があります。電池交換の際は、電流を流す線の部分はそのまま使用し、電池の部分のみ交換します。電池寿命はおおよそ5年から8年です。
ペースメーカが必要となる方は、脈拍が遅く、息切れやめまい、意識をなくしたことがある方です。このような症状がある場合には、一度お近くのかかりつけ医を受診することをおすすめ致します。
(2010年放送)