便秘
一般的に私たちは1日1回排便をします。排便の回数が少なく、週に3回以下の時、便秘といいます。排便の回数の問題だけでなく便が硬かったり、出にくく手で腹を押して出したり、排便してもすっきりしないときにも便秘と考えてもよいでしょう。
治療は下剤を飲んだり浣腸をしたり、座薬を使ったりいろいろです。便秘という自己診断で市販の下剤を飲んでいる人も多くみられます。毎日便が出ないというだけで下剤を服用する人がいますが、そんなに神経質になることはありません。
しかし、便秘の原因は消化管だけでなく、それ以外に原因があることもあります。便秘を治すには原因を突き止め、適切な治療をする必要があります。精神的な原因で自分が便秘と思い込むときもあります。逆に毎日排便があっても便秘のこともあります。したがって、便秘の原因をはっきりさせてそれにあった治療をする必要があります。
お腹が痛んだり、吐いたりするときは早く治療をしないといけません。
大腸がんにより便の通りが悪い場合でも排便が毎日あることもあり、これが便秘だと気づかないこともあります。50歳以上で排便がすっきりしない人は、一度大腸の検査を受けたほうがよいでしょう。
寝たきりの状態では「宿便」という便がたまった状態になり、発熱の原因や敗血症になることもあるので介護をしている人は覚えておいてください。
排便は大切な生理現象ですので、お通じの具合が悪い、便通の調子が悪いなどの違和感があるときは自己診断せず、胃腸科の医療機関を受診してください。
(2010年放送)