内科/咳ぜんそく

咳ぜんそく

 咳は、世界中で患者さんが病院を訪れる理由として最も多いという報告があります。咳の原因は、風邪のように自然に治ってしまう病気から、肺がんのように命に関わる病気まで色々あります。最近では、レントゲンや肺の聴診をしてもまったく異常が見つからず、市販の咳止めがきかない、咳だけが長く続く患者さんが増えてきています。このような咳の原因として、世界で最も多い病気が咳ぜんそくです。典型的なぜんそくでは風邪をひいた後などに息苦しさ、咳に加えて、喉が“ヒューヒュー、ぜいぜい”となるぜんそく発作が起こります。
 しかし、咳ぜんそくでは、息苦しさやぜいぜいは起こらず、咳だけが続きます。咳ぜんそくの咳は、温度や湿度の変化、会話、運動後などに引き起こされ、1日のうちでは特に夜中から明け方にかけて多く、ひどい場合には咳のせいで眠れなかったり、目が覚めてしまうこともあります。咳ぜんそくの咳には市販の咳止めは効果がなく、通常のぜんそくと同じ治療薬が必要になります。咳ぜんそくを治療せずに放置した場合、3人に1人の患者さんが、典型的なぜんそくを発症することが知られており、咳がとまってからも長くぜんそくの治療が必要な場合があります。
 咳止めが効かない咳が続く場合は、咳ぜんそくの可能性も考え、内科、呼吸器科、アレルギー科などの医療機関を受診されることをおすすめします。

(2010年放送)