泌尿器科/尿路結石②最新の治療と予防

尿路結石②最新の治療と予防

尿路結石の治療には、薬物療法と手術療法があります。薬物療法とは、結石の痛みをやわらげる鎮痛剤や、結石を尿で流しやすくする排泄促進剤による治療です。特殊な成分の結石以外は、尿路結石は薬では溶けません。

自然に流れない1cm以上の結石や、小さくても痛みが続いたり、腎機能が悪化している場合には手術が必要です。以前は、体外衝撃波結石破砕術が手術の主流でした。この手術は、麻酔せずに体のそとから衝撃波によって結石を細かく砕き、尿とともに排泄させるという画期的な治療法ですが、大きな結石や硬い結石、あるいはレントゲンに写らない結石は、治療できない欠点があります。

最近は、おなかを切ったり穴を開けたりせずに、尿道から内視鏡を挿入して結石を治療する、経尿道的尿路結石除去術が普及しています。この手術は麻酔が必要ですが、衝撃波で治療できない結石でも、レーザーで確実に砕くことができ、さらに砕いた破片をその場で取り除ける理想的な手術法です。手術が必要な場合は、どちらの手術を受けるか、主治医の先生とよく相談されると良いでしょう。

なお、尿路結石は、病気が治っても2人に1人は再発しますから、再発予防が大切です。再発予防の基本は、結石の発生につながる成分を減らすため「バランスの良い食事をする」ことと、結石成分が溶けやすくなるよう「水分をたくさん摂る」ことです。食事以外で2Lを目安に水分を十分にとって、尿の量を増やすようにしましょう。(2014年放送)