こども医療費助成制度 全国自治体 64%「自己負担なし」

対象年齢も4割で「高校生」まで助成
県内では、松浦・南島原・佐々・波佐見・東彼杵で実施

厚労省が毎年発表している「乳幼児等医療費に対する援助の実施状況」(平成31年4月1日現在)によると、助成対象を「高校生」までに引き上げる自治体が増加傾向にあるのがわかります。
同資料では、1年前に比べて、通院は「就学前」が15自治体減、小学生対象が18自治体減、中学生対象が85自治体減といずれも減少し、その分、高校生対象が118自治体増加しています。入院も同様の傾向で、高校生対象が129自治体増加しています。
こども医療長崎ネットでは、同資料にもとづき「対象年齢別自治体割合の推移」をグラフにしました。「高校生」を対象とする自治体は2010年には約1%だったのが、2019年には、通院で38%、入院で41%にも及んでいます。長崎県では松浦市、南島原市、佐々町、波佐見町、東彼杵町が高校生までを助成対象にしており、厳しい財政状況のなか、子育て支援や少子化対策を優先的な施策に位置づけて実施していることがわかります。

800円又は1600円の負担額は今すぐ撤廃を

医療機関窓口で支払う自己負担について、新上五島町の自己負担なし(償還払い)、壱岐市と五島市の3歳未満無料を除くと、県内自治体の多くは1医療機関800円(月1600円限度)が必要です。こどもが複数いたり、医療機関をいくつも受診すると支払いが大変との声も寄せられています。
同厚労省データで全国の自治体をみると、自己負担「なし」の自治体数が2012年の950から2019年の1115まで165自治体増えていることがわかります。自己負担金は、たとえ少額であっても経済的ハードルとなり、特に貧困層の家庭のこどもたちを医療から遠ざけることが指摘されています。経済的理由による受診抑制をなくすことが、いま求められています。

こども医療費助成制度についてはこども医療長崎ネットホームページもあわせてご参照ください。