被爆体験者訴訟の最高裁判決を受けて談話を発表

長崎県保険医協会は12月19日、被爆体験者訴訟の最高裁判決を受けて談話を発表しました。
【談話】

被爆体験者訴訟の最高裁判決を受けて

平成29年12月19日
長崎県保険医協会
会長 本田 孝也

12月18日、最高裁は入市被爆し公判中に死亡した1名を除く被爆体験者訴訟第1陣原告387名の上告を棄却する判決を下した。これにより、第1陣原告387名の敗訴が確定した。
2007年の提訴から10年。原告一人ひとりの心中を察するに、悔しさと憤りを禁じ得ない。
被爆体験者訴訟は長崎に原爆が投下されたときに、爆心地から12Km圏内の被爆未指定地域にいた住民が被爆者健康手帳の交付を求めて起こした裁判である。
最高裁は判決理由の中で、「原審口頭弁論終結時における科学的知見によれば,長崎原爆が投下された際爆心地から約5 kmまでの範囲内の地域に存在しなかった者は,その際に一定の場所に存在したことにより直ちに原爆の放射線により健康被害を生ずる可能性がある事情の下にあったということはできない」、従って「原告らは被爆者援護法第1条の3号被爆者には該当しない」という判断を示した。
2012年6月、長崎地裁で第1陣原告敗訴の判決が下された後、米国マンハッタン調査団の放射線測定データが見つかった。これをもとに本田意見書1を作成し、以来2016年5月の福岡高裁判決までに7通の本田意見書を作成したが、福岡高裁は原告全面敗訴、そして最高裁は「本件記録に現れた証拠関係等に照らせば、原審の上記判断は是認することができる」という判断を下した。力不足に忸怩たる思いである。
しかし、すべてが終わった訳ではない。
第1陣と並行して福岡高裁で公判が進行している被爆体験者訴訟第2陣では、これまでの沢田意見書、矢ヶ崎意見書に加え、新たに高辻意見書、大瀧意見書、大矢意見書が加わった。本田意見書も8から14まで更に7通を作成した。
僅かでも可能性が残っている限り諦める訳にはいかない。最高裁判決の根拠となった「原審口頭弁論終結時における科学的知見」を覆すべく、人事を尽くしたい。