2018年度改定で薬価を引き下げ、診療報酬本体の大幅な引き上げを求める「声明」を発表

長崎県保険医協会は12月13日、2018年度改定で薬価を引き下げと、診療報酬本体の大幅な引き上げを求める「声明」を発表しました。

【声明】

2018年度改定で薬価を引き下げ、
診療報酬本体の大幅な引き上げを求める

平成29年12月13日
長崎県保険医協会
会長 本田 孝也

報道よれば、政府・与党は2018年度の診療報酬改定において、診療報酬本体をプラス0.5%程度引き上げることで調整にはいった。国民医療費を43兆円とすると、プラス0.5%は2,200億円に相当する。
診療酬は医療機関の経営の原資であるとともに、患者さんが受ける医療の内容や質・量を規定するものであり、必要な人件費や設備関係費を確保するためには技術料の評価が不可欠である。
人口の高齢化に伴う入院医療の需要は年々増加し、増加する医療費の半分は入院医療費で占められている。2000年度以降、最大のプラス改定は2010年度の+1.55%(約5,700億円)だった。うち急性期入院医療に約4,000億円を配分されたが、医業・介護費の高騰はそれを上回り、病院経営は年々厳しさを増している。11月8日に中医協に示された第21回医療経済実態調査(実調)では、2016年度の一般病院の損益率はマイナス4.2%と「過去3番目に悪い数値」という厳しい実態となった。プラス0.5%(約2,200億円)ではまったく不十分である。
医科、歯科診療所の医療も苦しい。1施設当たりの医療費を2000年度と比較すると、2016年度の医科診療所の初再診料は6%のマイナス、医学管理料は12%のマイナスである。21回実調によれば個人歯科診療所の収益差額の最頻値は月額51.9万円と過去最低を更新した。このように厳しい経営状況にも関らず、中医協では医科の特定疾患療養管理料、歯科の歯科疾患管理料を実質的に引き下げる案が検討されている。本末転倒の議論である。
増加する医療費の残りの半分は薬剤費である。厚生労働省は後発品のある先発品の薬価を6年間かけて後発品と同水準まで引き下げる薬価制度の改革案をまとめた。さらに踏み込んで薬価を切り下げれば財源は捻出できる。
安全・安心の地域医療体制を無理なく保持するために、薬価を大胆に引き下げて財源を確保し、入院、医科、歯科診療報酬本体の大幅な引き上げを求めるものである。